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2009年7月19日 (日)

本質という刀・・・DEITER RAMS展

DIETER RAMSというデザイナーの展覧会に行って来ました。

彼は永らくBRAUNのデザインを引っ張ってきた人物であります

彼がデザインした、もしくはマネジメントしたBRAUN製品の数多くがニューヨーク近代美術館に収蔵されています。今で言えばappleのJONATHAN IVEでしょう。ですがデザインという素地がなかった時代のことですし、その後に与えた影響の大きさを考えるとそれ以上の存在かもしれません。バウハウスやウルム造形大学などドイツでは戦前からモダンデザインを産業に活かしていこうという活動が行われていて、その精神を受け継ぎ、成立させたのがDIETER RAMSです。工業デザイン史は彼抜きでは語れません。

彼の有名な言葉に『LESS BUT BETTER』があります。可能な限りそぎ落とす、しかしながら美しく使いやすく。以前から彼のデザインが好きです。何がいいかって、シンプルさ。いや、シンプルで良い物こそ安易にシンプルと言ってはいけませんね。シンプルでよいものは、その製品を成す要素の一つ一つがとても重要な役割を担い、それに加え他の要素との呼応が絶妙でなければなりません。
下の写真は彼の出世作「SK4」です。白雪姫という愛称で呼ばれています。見てわかるとおりシンプルですが、いわゆる冷たさを感じるそれではなく温かみのあるそれなのです。
この製品のシンプルな美しさは、素材美、機能美、人間味の3つがとても高いレベルで調和することで成立しています。性格には素材美と機能美を人間味が包み込んでいる野が正しいかな。四角でも丸でもない絶妙な過度のR、トーンアームには唯一有機的な造形が与えられてこの製品に表情を出している。排熱スリットからスイッチまでグラフィック的に配置されています。金属、木、プラスティック、塗装といった素材感にも温かみがある。

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展覧会の最後に彼のインタビューが流されてました。
「私は素材を本質に還元してきた。」
この言葉、刀を眼前に寸止めされたような身動きの取れない、胸の詰まる思いがしました。
わかっている。それが大事なことはわかっている。
でも改めて云われると痛烈に響きます。靴の本質、よく考えることがあります。
履き心地、美しさ、素材へのこだわり、丁寧に作り上げること・・・靴に込めるべき本質は色々あります。ですがまだ他に、僕なりの何かがあるはずだと思っています。

そして僕も持つであろう刀。
持たねばならぬ刀。






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