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2010年3月26日 (金)

自分をいかして生きる

「自分をいかして生きる」という本を紹介します。

タイトルを見ると自己啓発本みたいですが、違います。
自分の好きなことして、稼いで、幸せになろう・・・みたいなことは書いてありません。
僕なりの言い方させてもらえば、「生き方を問う」本です。

著者は西村佳哲さん。前作の「自分の仕事を作る」が良い本でしかもナガオカケンメイさんが薦めているので本書も読もうと思いました。
その前作ではデザイナーなどのクリエイティブな職種の人に取材をして、受身の仕事ではなく自分なりの問題意識で自分なりの仕事をどうっていけばよいか、というようなことが書かれています。
僕はこの前作をダメダメなサラリーマンをやっている時に読んでいます。本屋で救いを求めるように購入して読んだものの、書かれているのがそもそもクリエイティブな職種の方々であったので、単なるサラリーマンには参考にならないな・・・みたいな気持ちで読み終えたと記憶してます。もちろん西村さんの意図は違いますよ・・・むしろ逆でフリーでクリエイティブの最前線にいるという過酷な状況の人たちが実践している仕事のエッセンスこそ、普遍的で皆のヒントになるから書かれたわけです。

では「自分をいかして生きる」について。
今の世の中、書店に行って本のタイトルを眺めれば一目瞭然ですが、結果ばかりに囚われています。そのためのhow to 本や成功、仕事、生き方についての本・・・、できるだけ知識や技術をすぐに、簡単に学びたい・・・、目標管理やどうアピールするか・・・、こういった類の本がものすごく多い。
その求められる結果とは、言うまでもなく"金儲け"につながっているわけです。金儲けとは汚い言い方ですが、働かざるもの食うべからずという道徳観と相まって、経済的な視点から仕事や生きがいを考える面が強すぎるように思えます。
そんな昨今に対し、西村さんは疑問を呈したのがこの本です。人は「気持ちがあって、思考して、行動して、結果が出る」という順番でものごとを進めていく、それなのに今は「行動して、結果が出る」ところしか気にしなくなっている。「気持ちがあって、思考して」という段階をまるで無意味かのように扱い、そんな暇もないように急かしまくる。
西村さんはこの思考するその前の段階言葉にならない気持ちのような部分こそ重要だといっています。

そういった気持ちや思考を大切にした生き方とは何か、それはプロセスを重要とする生き方です。
本書に自動車デザイナー、家電のデザイナーを経て蕎麦職人をやっている加藤晴之の言葉があります。
「やりたいことが見つからないとか、面白くないということがあってもどの瞬間でも、その中で一番やりたいこ とは多分ある。今どうしたいか、ということ。それをやってゆくと何か見つかってくるんじゃないか」
プロセスを大切にするというのはこういう生き方です。

そういえば僕が学生の頃研究した建築家村野藤吾も「現在主義」という独自のイズムを掲げていました。
そんな村野さんの作風は一貫性の無さが指摘されることもありますが、そうではなく時代や環境によって、また変わりゆく気持ち村野さんの気持ちをその瞬間瞬間に精一杯表現したものでした。

人は終わりや目標がないと不安です。でもその時々を一生懸命に生きていくことが大切です。
あとがきで西村さんも言っていますが、自分がこの世に生を受けたことをどれだけ感謝して、自分をいかすか、これこそが生きがいなのだと思います。

新年度が始まります。こんな本を読むことも、遠回りなようで近道かもしれません。

ではまた

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